大学の合格を決めた長男が短期でバイトをすることになった。生まれて初めての
ことになるので、エントリーの段階から勝手が分らずにオロオロしている。(笑)
でも、今までバイトしなければならない状況もなかったし、これはある意味しょうが
ないこと。これからドンドン社会経験を積んでもらうのに丁度いい機会です。
*
先日、カミサンに船橋の駅まで車で迎えにきてもらったことがあった。乗車すると
楽しげにカミサンが話し始めた。
「達也はサイテイ。優柔不断で、一人じゃバイトの申し込みも出来ないし、履歴書も
書けないのよ。イヤになっちゃう(笑)」
その日、たまたま休暇を取っていたカミサンは、達也の代わりに求人募集のフリー
ペーパーを幾つか集め、応募先を選び、履歴書の書き方や電話の掛け方をこまごまと
教えていたらしい。初めてのことなので、何も出来ないのはたいしたことじゃない。
可笑しかったのはそのあと。
実は第一志望の合格を決めた後、達也は同じ大学の別の学部も受かった。選択肢が
できたことで、当初の第一志望がグラついて、今はどちらに進むのかを決めかねて
いる状況にある。バイトと同じようにこちらも“優柔不断”の状態。(笑)
「もぉ~笑っちゃうのよ。『あんたはホントに一人じゃ何も出来ないのね』って言ったら
どう反応したと思う?」と、カミサンが訊く。
達也は、
「あ~ぁ、学部も決められず、バイトも見つけられず、俺は本当にダメ人間だ・・・」
半分マジで、こう呟いていたらしい。笑えるなぁ。
で、帰宅後に顔を合わせてすぐ「よぉ、ダメ人間!」と、“優しく”声を掛けてやった
のである。達也は丁度、姉と妹からバイトに関する優柔不断ぶりを責められている
ところで、自称“ダメ人間”に相応しい苦笑を見せていた。目の前のオンナ二人には
既にバイト歴があるわけで、特に姉の方は働くことに関してとても逞しい。社会経験の
無い達也は格好の餌食なのである。
間髪おかず私とカミサンも加わって、まるで家族会議のような状態になった。(笑)
達也をエサに話が異様に盛り上がる。これがかなり楽しい。
焦点は応募先である。(予定している)5月までの短期だと、どうしても店舗内の
販売系になる。船橋駅周辺のデパ地下にある食材販売店の三つに候補が絞られた。
・トンカツ屋 ・スウィーツ屋 ・すし屋
どれが良いか、五人で喧々諤々の会話を続ける。
妹:悩んでないで、決めかねるなら現地に行って確かめた方がいいんじゃない?
父:お前、現地に行っても(応募を)言えずに店の商品だけ買って帰ってきちゃうん
じゃないか?
姉:スウィーツはやめた方がいい。あんたは不器用だから絶対にケーキをたくさん
崩してヒンシュク買うよ
母:●●百貨店の方が客が少ないからいいと思うよ。夕方の買い物時にオバサンが
多く襲って来たらあんたパニック起こすんじゃないの?
こんな感じで言われ放題。(笑)
そうこうしている内に結論を出す方向に会話内容が変わってきた。
父:俺は絶対にすし屋がいいなぁ
姉:私はトンカツ屋の方がいい
妹:やっぱりスウイーツ屋さんにしようよ
母:他にお惣菜屋さんの求人はないのかしら?
何てことない。バイト先を探している達也本人を除く四人全員、勤務後に無料で提供
されるかもしれない各自の食べたいモノ、欲しいモノに焦点が定まっている。周りは
まるでハイエナのようです。(笑)
嗚呼、自称 “ダメ人間” に幸多かれ。
やっぱり「すし屋」がいいんだけどねぇ・・・。
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