長男の達也が通う高校では昨日体育祭が開かれた。先日、文化祭が終了して高校生活の大きな
イベントが終わったはずだったのに未だ残っていたのね。(笑) で、帰って来た本人の話を聞いて
笑った。
競技の中に全学年の男子による棒倒しがあり、当然達也も出場。基本的には達也たち三年生が
攻め手となり、一年生と二年生が防りにつく決まりだったらしい。
棒倒しだけじゃなく騎馬戦もそうだけれど、体育祭(特に高校)の格闘系の競技って皆んなが
“マジ” になるんで面白い。たいがいの男子は経験していると思いますが、何故か異様にアドレ
ナリンが湧きますよね。例えば棒倒しの場合、ラグビーのラックの中で隠れて行われているような、
どさくさ紛れのイリーガルな行為が普通に繰り広げられます。棒と関係のないところで「蹴り」や
「頭突き」が飛び交う。特定の人物目掛けてピンポイントで突撃して “棒” ではなく “人” を倒しに
いく奴もいたりする。というか、そいつは競技に参加しているのではなくて喧嘩する為に棒倒しを
利用しているってこと。(笑) 実際、それで喧嘩が始まったりするし、とても物騒な競技である
ことは間違いない。
達也はこう言うのです・・・
『 冷静に考えて怪我をしたくないから俺は後ろで防っていたよ。だって、ここで指を怪我するのは
イヤだもの 』
あらら、なんと現実的でやる気のない奴。(笑) 本人は受験勉強のことが頭にあってそういう
行動に出たようだが、自分はそれに大笑いした。で、続けて「他に後ろに回った三年生は全部で
何人ぐらいいた?」と訊くと
『 いないよ。俺ひとり 』
・・・だったらしい。(笑)
十年前だったら間違いなく「バカじゃないの!? 棒倒しっていったら体育祭の一番の華だろ。
あ~ぁ、ホントに情けない奴ッ・・・」嘆かわしくこう言ったと思う。
が・・・
歳をとってエネルギーが枯竭し始めている自分は、何ごとにも “熱く” あって欲しい年頃なのに
妬けに “冷めて” いる息子の発言に納得してしまったのである。人生は長い。確かにここで出さ
なくても、大人になればアドレナリンは黙っていたっていくらでも出るものなぁ。ある意味達也の
選択は正しいワ。(笑) ここぞッ! っていう時に120%のチカラを出せる奴に成長してくれるなら
たかが棒倒しで血眼になる必要はない。本人が“冷静に考えた”結果ならそれでよし。
・・・そんなようなことを本人に冗談混じりで偉そうに説いていたら達也がこう言う。
『 でも、受験ヤバイかも。今日絶対に脳細胞が幾つか死んだよ。凄っげぇ頭突きもらっちゃってサ 』
なんだよ。後ろに回ったワリには結局やられてるんじゃねぇか(笑) アホ!
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