カミサンの勤務する保育園の地域で『幼保小連絡協議会』という会合が始まりました。
地域の中で、子どもがよりよく育つよう、保育園と小学校、幼稚園と小学校が相互に
連携して子どもの発達を連続したものとして捉えていく
協議会はこんな主旨で開かれるようです。多分、この時期はどちらの自治体でも同種の
会合が開催されているのではないでしょうか。
4月から一年生になる年長さんの多くは地域の公立小学校に入学します。通学区域の
ような概念の無い福祉施設である保育園は、地域的に広い範囲から園児を受け入れて
いるので、おのずから卒園後に進む小学校の数も多くなります。ちなみに(年長を受け
持っている)カミサンのクラスの園児は、今年、五つの小学校に入学することになる
らしい。
小学校から中学校に進む時、在校中の個人プロファイルは調査書として提供される。
それはクラス編成などの資料になるのでしょうが、幼稚園・保育園から小学校に進む
場合も状況は同様のようです。但し、文部科学省の管轄で“学校”の扱いとなる幼稚園と
厚生労働省の管轄で“児童福祉施設”である保育園の違いなのか、保育園の園児の
プロファイルは用意されません。そのため、冒頭の協議会における保育園児の受け持ち
担任からの情報提供は、小学校の先生にとってたいへん貴重な情報獲得の機会になる
ようです。保育士の観察眼が優れていればいるほど小学校も助かるし、結局、卒園後の
園児に良い状況を準備してあげられるのです。『学級崩壊』といった言葉をよく聞く現在、
小学校のクラス運営は想像以上に厳しいはずで、受け入れ側としても事前の状況把握は
切羽詰ったモノになるのでしょう。だからこそ保育士の役目は大事です。
それも頷ける話をカミサンから聞いた。
今回の協議会の対象となる小学校には彼女の受け持ちクラスから五人が進むのだが、
これがウ~ン・・・という感じ。五人の内、
①宗教上の決まりから治療行為をしてはいけない子
②国際結婚による使用言語の混在で意思疎通に欠ける子
③注意欠陥多動性障害(ADHD)と推測される子が二人
④両親の離婚に絡み不安定になっている子
当然、子どもたちが自ら望んだ状況ではないが、全員が何らかの事情を抱えている。
もともと受け持ち園児24人中、16人が1~3月生まれという、月齢的に偏りのある
(成長が遅い)クラスなのだが、更に個々の環境が上乗せされている。小学校側は
それを確認できただけでも事前の取り組みを考察できるのです。特に、学級崩壊に
繋がるADHDの可能性のある子が入学してくることを確かめられただけでも、貴重な
情報を得たはず。実際、園児ごとに細かく説明するカミサンの話を小学校側の先生は
一生懸命メモに取っていたそうです。と、同時に・・・
保育園の先生はホントにタイヘンですね
と同情し、感心もしていたらしい。
逆に小学校側の先生から聞いた話でカミサンは、保育園だけじゃないんだなぁ、と
あらためて感じたこともあったみたいで、それは・・・
子どもの成長不足の事由を学校に転嫁し、子どもと直接向き合わない親が多い
ということ。例えば・・・
算数は習熟の差が出やすい科目です。そこで、算数だけは習熟度別にタテ割りの別
クラス編成をしたところ、親は途端に『何でウチの子がこのクラスなの!』となるらしい。
学校としては能力差別をするために編成した訳ではない。先を見据えて落伍者が
出ないように敢えてそうしているはず。ところが、そういった親に限って『習熟が進ま
ないのは学校の教え方が悪いから』となるのです。だったら家庭で接しながら、話を
しながら、教えながら、親が一緒になって勉強してあげよう、と思いませんかね。
親の見栄を取るのか子供の幸せをとるのか?
そんなことは自明なのに・・・と、思います。
しつけの責任を保育園に転嫁し、保育を放棄し保育園任せにする
時代と共にそんな親が多くなり、ネグレクトを目にすることも決して珍しくない保育園の
現状と似たような状況を聞いたカミサンは・・・
小学校の先生も本当にタイヘンですね
こう言ってあげたかったようだが、いやいや、タイヘンなのはやっぱり君の方でしょ。(笑)
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