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Goro・とおく

遺言代わりに書き留めています。 自分と自分の周りのこと・・・

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泣きながら生きて

ご覧になった方も多いと思います。
ブログ表題の「泣きながら生きて」は、
昨晩放映されたフジテレビのドキュメンタリー番組のタイトル。
張麗玲(ちょう れいれい)さんという日本に留学していた
中国人女性のプロデュースによるもので、
過去、シリーズ的に何本か放映されており今回が最終章。
このシリーズの切っ掛けそのものにも意味深いものがあって、
「志し」のある人のところには良いものが生まれるという
その典型のような番組です。
もともと私は、テレビのジャンルではドキュメンタリーが
一番好きでよく見ますが、その中でも相当上質の番組
だったように思います。

全編通して泣き通し・・・。

     ・

主人公は中国人の男性、丁尚彪(てい しょうひょう)さん。
彼は上海に妻と娘を残し、借金で工面したお金で日本語を学ぶ為に
35歳で来日します。

言葉を学びながら働いて借金を返す。
そして卒業後は日本の大学に進学することを目指していました。

何故日本で? 

というのも、彼は中国の文化大革命下放政策により、
一番勉強したい時期に遠方の農村に“強制学習”に行かされ
本当の勉学の機会を逸したから。
夢を抱いて日本に向かった訳です。

ところが入学した日本語学校は北海道阿寒町の山の中。
当時、炭坑が閉山され過疎化に困窮した自治体が
日本語学校を誘致して、そこに中国人留学生を受け入れる目的で
スタートさせたもの。来日に関する彼らの金銭的な背景や
環境などは考えない、安易な人集めプラン。
働く場所も無いところでは借金は返せません。
結局、彼は学校を飛び出し、働き場所を求めて東京に向かいます。
留学目的で発給されたビザは更新を認められず、
彼は不法滞在の身で生活することになる。

ここで彼は自分の「志し」を諦め、一人娘に夢を託します。
借金を返した後も帰国せずに複数の仕事をこなし、
質素な生活の中から中国に送金。
全てを娘の勉学(進学)に向けて捧げる。
もし見つかれば強制帰国。
再入国は出来なくなってしまう事情の中、
ひたすら娘の為に一生懸命働き続ける。

幸い、娘はアメリカの大学に合格し東京経由で米国に向かう。
トランジットで許された24時間だけ接触できるタイミングが生まれる。
8年ぶりに出会えた親子、そして、また別離、親子の涙・・・。

母親はアメリカの娘に会うためビザを申請するが発給されない。
結局、五年間を費やして12回目の申請でアメリカ行きが実現し、
東京経由で米国に向かう。
その機会を利用し、娘と同じようにトランジットで許された
72時間を使って13年ぶりに夫婦が出会う。
そして、また別れ、夫婦の涙・・・。

娘の進路に目処がついた時点で彼は帰国を決意する。
帰国前に故郷(ふるさと)と呼ぶ阿寒町に出向き、
今は廃校になった校舎で涙する。
学校を抜け出したことに「申し訳ないことをした」と話し、
去り際に阿寒の地に何度も頭を下げる。
そして、ラストシーン。
辛かっただけの日本の生活だったはずなのに、
離陸する飛行機の中で日本の地に向かい
手を合わせて万感の涙を流す・・・。


この人は凄い人です。
インタビューのシーンで印象的だった言葉が幾つかある。

  「親は子供に果すべき責任がある」
  「人生すてたものではない」

自分の夢を捨て、家族の為に必死になり、
過酷な人生の時期を長きに渡って送りながらも
自信を持った表情でこの言葉を発していた。

この源(みなもと)はどこにあるのだろう?

多分、「心」や「絆」や「愛」といった言葉で割と簡単に
表せるものかもしれないが、そこにはもっと強い何かが
あるような気がする。

それは上手く言えないけれど、
「生きることの責任」みたいなものなんだと思う。
まず、あるべき自分を持つ。
それがあるから家族に向き合える。
親が果そうとしている責任を子供が感じ、
それに報いるために子供は一生懸命になる。
そうして人間は連鎖していく。

  「私は胸を張れるような人間になりたいのです」

彼が発したこの言葉。これが全てなんだろう。
胸を張っていい人間なのに、彼の終着点は未だ先にある。
人間はずっとそれを追っていないとダメなんでしょうね。


感動だけじゃ終われない番組でした。
再放送があることを願いたいですね。
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