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Goro・とおく

遺言代わりに書き留めています。 自分と自分の周りのこと・・・

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カニのキモチ

朝、出遅れた日に限って想定外の事象が起きる。
よくあることです。

先週の木曜日、
カミサンがその典型的なパターンに陥ったのだが、
アクシデントの一部始終を本人から聞かされ、
この人は凄いなぁ、と、あらためて感心した次第。
感心したと言っても珍事を呼び込む能力に関してですが・・・。

   ・

いつものようにローカルの私鉄に乗車。
ローカルとは言え、通勤時間帯のピークで車内は満員です。
背中側から乗り込み、後ろ向きで身体を押し進めます。
これが遠因となって、後々面白いことに・・・。
 
二駅進んで終点の乗り換え駅に到着。
乗客が一斉に下車します。
 
乗り込んだ側のドアがそのまま降車ドアとなって開き、
後ろから押し出されたカミサンは階段方向に向かう。
 
が、その時・・・。
 
    あれっ? 
 
    行きたい方向に身体が動かない。
 
    あれれっ?
 
    何かに引っ張られてる。

    誰? 誰? 私を引っ張っるのは?
 
人混みで団子状態の中、全員が前を向いて歩いているのに
カミサンだけがカニのように横を向いて進んでいる。
 
すぐに、

自分は前を歩く女子高生につかず離れず
一緒に移動していることが分かりました。
 
    何? 何? 私はどうなってるの?
 
    とにかく止めないと・・・。
 
「ちょっと・・・」
 
声を掛けたものの、雑踏の中で女子高生は気付きません。
 
「ちょっと待って・・・」
 
女子高生はまだ気付きません。
 
「ちょっと待ってくださ~いッッッ!」
 
三度目の声掛けで彼女はようやく気付いてくれました。
 
後ろを振り向いた彼女にカミサンが言葉を続けます。
もちろん、ずっとカニ歩きしながら・・・である。
 
「何か引っ掛かってるみたいなんです」
 
『ん?』
 
女子高生は状況が分かっていないようです。
カミサンが彼女に歩調を合わせていたので、
自分の背中に余計な負荷を感じていなかったのでしょう。
 
「あなたのバッグと私のバッグが引っ掛かってるみたいなんです・・・」
 
『えっ!?』
 
指摘を受けて、ようやく女子高生も事態を認識しました。
どうやら、女子高生の背負うザック(ポケット部分)のジッパーと
カミサンが右肩に下げていたショルダーバッグの
ベルト部分(背中側)が、運悪く引っ掛かってしまったようです。
どうしてこんなとこに?・・・と思えるほどのピンポイントで
ジッパーがバッグを噛んでいます。
引っ張ってみましたが一向に外れません。
 
が、すでに階段は目前。
 
危険なので人波の渦中で立ち止まって処理するワケにいきません。
波に呑まれながら、カニと女子高生という変則的な二人三脚の状態で
慎重に階段を下ります。
 
おぼつかない足取りの二人は、
なんとか階段を下りることができましたが、
人波の真っ只中に巻き込まれていることに変化はありません。
 
落ち着く間もなく、今度は改札口が目の前に迫ってきていました。
依然として、カミサンのカニ歩きは続いています。
 
この改札さえクリア出来れば、
前方のちょっとした空きスペースに辿り着ける・・・。
 
希望が見えてきましたが、
二人で通過するにはかなりの難関。
 
カードをかざして通過する女子高生にカミサンが続きます。
定期券は左手に下げたバッグの中にありますが、
右肩をロックされている状態なので上手く取り出せません。
やっとこさ手を伸ばし、ギリギリ指先で引っ張り出せました。
 
    やった! 取れた! 
 
と本人は思ったことでしょう。
 
が、
 
    あれ? 届かない・・・。
 
定期券のセンサー部は改札ゲートの右サイドです。
右肩を固められているため、
カミサンからは背後の位置にあって手を伸ばしきれません。
 
そこで、
 
定期券を左手に持ち替え、
カバンを持ちつつ右の脇の下から手を通すという
高難度の動き(=“シェー” のポーズ)を取り入れて打開を図ります。
 
    良かったぁ。何とか手が届きそうだワw
 
    いざ、ここを抜けん!

そう思ったことでしょう。
 
が、
 
その期待は叶わない。
 
位置を確認するため首を右後ろに捻った瞬間、
視線の先に入った光景に唖然とします。
 
    ア~っッッ、やっぱりダメだぁ~ッッッ・・・。
 
実は、乗り継ぎの関係でカミサンは定期券を二枚使っており、
乗車した私鉄ローカルは挿入するタイプの通常の定期券です。
通過しようとしたゲートはタッチ専用で、
券を入れる挿入口が無いことに気付きました。
 
焦る。焦る。焦る。
 
    このままじゃダメだ・・・。

    そうだッ!
 
ここでやっと思いついたのでしょう。
カミサンはショルダーバッグを肩から外して女子高生に預けます。
ようやく右肩のロックが外れ、開放されました。

脱皮には成功しましたが、
今度は抜け殻の処理をしなければなりません。
ファスナーは思いのほか強烈にバッグの布を噛んでいて
簡単に外れない。

    どうしよう? このまま取れないでいたら遅刻する・・・。

焦る。焦る。焦る。

    そうだ! 荷物を抜いて入れ替え、バッグはこの子にあげよう。

マジにそう考えたらしいが、
他人のザックに抜け殻をぶら下げさせてどうすんの?
あり得んだろ、それ。

結局、二人で数分格闘して一件落着。

   ・

事の顛末に笑い続ける私に向かってカミサンが言う。
 
「人ごみの中でひとりだけ、引きずられて横向きに歩いていたのよ。
 あの恥ずかしさは分からないでしょう」


分かるはずない。
だって、俺、カニじゃないし。
っていうか、普通、階段を下りる前に脱皮するだろ(笑)

 
※小さいのにイイ仕事をしてくれた接点はココ。
 
DSC_0176-1_edit0_b.JPG
 
 
 
 
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