私には三人の子供がいます。上から順番に女・男・女の組み合わせ。長男は高校三年生なので
来春はもう大学受験です。自分が一番楽しくしていた時期がすでに自分の息子の代に移って
いるわけで、時間というものは真に恐ろしく速く過ぎていくものですね。
長男の高校受験が佳境に入った頃、丁度自分はギターを始めた。当時、この全く自分勝手な
オヤジは長男の切迫した状況を知っていながら夜中に平気でギターを弾いていた。当然息子に
反感をかって注意されるが、その言い方が気に食わないという理由だけで馬鹿なオヤジの方が
キレて、組み合って激しくもめたことがあった。カミサンが泣いて仲裁に入り、ようやく収束した後、
長男の部屋から“ドカン”と大きな音がした。ドアに目一杯の力で蹴りを入れたようで、と~っても
でっかい穴が開いていた。(笑) 昨日のことのように思っていたが、あれがもう二年半前の
ことになるんだもんなぁ。時が過ぎるのはホントに速い。そのあと、誰が悪いのか分かっている
くせに正直になれない意地の悪いこのオヤジは、長男に「自力で稼げるようになったら自分の
金でドアを直せ」と命じ了解させた。しかも機に乗じて、自分にはサイレントギターまで買って
あげたのである。(笑)
で、現在、長男の達也は再び受験シーズン。
受験予備校に通っていて、今は夏季講座の毎日。前にも書いたけれど、達也が本気モードに
入った時はホントに凄いモノがある。この夏休み、実際にどういう生活をしているかというと・・・
朝は毎日8時に家を出る。持参品は勉強道具とおにぎり三つ。チャリを使って予備校に向かう。
帰ってくるのは夜の11時頃。講座が無い時間は自習室で勉強しているらしい。それを休むこと
なくずっと続けていて、今は一日の内の半分は勉強に当てているのだろうと思う。決してガリ勉
ではないけれど、やったことは確実に身に付けるタイプ。一旦こうと決めたら真剣なのである。
これが自分には絶対に真似のできないところ。受験に関して言えば、何しろ自分が本気モードに
入ったのは11月だし、深夜放送のラジオばかり聴いていて、勉強したのは得意な科目だけ。
しかも、少し勉強すると寝ちゃう。(笑)
受験の動機自体もしっかりしている。私は文系志望といいながら、文学部以外ならどこでも
よかった。要するに大学で何を学ぶのかなんて何も考えていなかった。ところが達也にはきちんと
した動機があって、大学で史学を勉強したいらしいのである。本当に自分の息子なのか?、と
考えてしまうほど“人間力”に差がある。(笑)ホントに立派なヤツです。
親から見る今の達也はとてもキラキラしている。
大きくなってもいいものですね、子供の一生懸命な姿。
そして、こういう人間には必ず成功が訪れて欲しいと思う。
最近受験のことで会話すると、自分は達也に「学校のレベルは関係ないよ。とにかく大学も学部も
どこでもいいから現役で入った方がいいよ」と話すようにしている。本人のモチベーションを
落とす訳にはいかないので緩く言ってあげるのだが、それは浪人した本人がまた一年同じことを
続けるのがタイヘンだろうと心配するからでもなく、自分が経済的にタイヘンになるからでも
ない。一生懸命頑張れるヤツはいろいろな頑張れる時間を見つけて欲しいと思うからなのです。
多分浪人しても達也はまた一生懸命勉強して、次はきっと成功するだろう。でも受験勉強は
一生に一度、一年で十分。私は違うことでキラキラする息子を見てみたいのです。
「頑張れる人間」には“頑張る“ に相応しい時間をたっぷりとあげたい。
「頑張れない人間」の羨望の先に自分の息子がおります。(笑)
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