最近、通勤電車の中で気になっている広告のコピーがあって、タイトルに書いたモノがそれ。
9×9=日本,19×19=インド
ある学習塾の広告ですが、要するに日本とインドでは算数の「九九」の習い方に相違があるよう
なのです。インドでは二桁の「九九」が普通のことらしい。これって、いろいろ考えると面白い。
まず日本の場合、
今は、“インイチガイチ、インニガニ・・・・・ククハチジュウイチ” で済みますが、二桁の場合は
“ジュウジュウガヒャク、ジュウジュウイチガヒャクジュウ、ジュウジュウニガヒャクニジュウ・・・・・
ジュウクジュウクガサンビャクロクジュウイチ”までかなり言いづらくなる。(笑)
まぁ、慣れなんでしょうが、短歌や俳句のように言葉のリズムに「美」を見い出す言語には不向きな
感じがする。だいたいからして「噛みやすい」。算数を勉強する前に話し方教室に通ってからでないと
塾には入れないだろう。(笑)
次にインドの「九九」を想像すると、
“????・・・” 当たり前だが全く分からない。(笑)
そこで、実際に調べてみた。
“トリビア”みたいだぁ。(笑)
インドの公用語はヒンディー語であるが、実際に唱えてみたところ一桁ならなんとかなりそう。だが、
100を超えた時点で数字の括り表現がややこしくなる為、二桁に至っては「話し方教室」以前に
「脳内教育」が必要かも。さすがに文明発祥地の人間の脳内構造は違うようです。
この学習塾が訴えているのは「基礎学力の向上が教育の原点であって、それが積極的な学習態度の
育成に不可欠である」ということらしい。確かにそうだなぁ。で、思い出したのが「ソロバン」のこと。
小学生の時(当時は珍しくないけれど)珠算塾に通っていた。検定二級までは取ったが、それ自体は
役立っていない。でも、計算力の速さは培われた。計算に限らず子供の、まだまだ“柔らかい頭”の
考察回路を鍛えるには間違いなく効果があったと思う。習い始めて直ぐに“計算”が楽しくなり、問題の
桁が増えていく事自体がとても嬉しかった覚えがある。計算そのものよりもどちらかと言えばシンキング
スピードを向上させるにはうってつけの訓練ツールだった。
一番効果的だったのが「暗算」。最盛期は、掛け算の3桁×3桁までは解けた。それと、よくやったのが
2問を同時に計算する暗算。要するに、頭の中に左右2台の「ソロバン」を置いて別々の計算を同時に
こなしていくというもの。それが出来ることが楽しくて、確かに毎日喜んで珠算塾に通っていたなぁ。
物足りなくて、1から順番に100まで足していくと幾つになるかを頭の中で暗算して遊んだりもした。
10まで足して55、100まで足すと5050。数字の並びに不思議な規則を見つけて、自分だけ何か
いいモノを発見したような気にもなっていた。(笑)
当時蓄積された基礎学習の向上は、喜びに繋がり、確かに積極的な学習態度を育成した。この点で
あの学習塾の広告は正しいと言える。
果たして36年後の現在、広告を見て今朝も電車の中で暗算をしてみた。もはや、3桁×3桁の掛け算
など不可能だが、それでも2桁×2桁の暗算はまだまだ出来るのである。それどころか「悪企み」をする
時の思考スピードは依然として、とてつもなく速い。二桁の九九をやっていた訳ではないが近いことを
していたおかげで、大人になっても確かに役立っている。ちなみに、カミサンは「ソロバン」を習ったことが
ない。「悪企み」に嵌(は)まるにはそれなりのワケがあるということです。(笑)
来世はインド人として生まれ変われるようお祈りしてあげよう。