-----前回に引き続き-----
服脱ぎ女の面白いエピソードを聞いたあと、運転手さんは更に、
流している途中で拾った危ない乗客の話も披露してくれた。
深夜の繁華街で手を挙げてクルマを止めたその人は、
ぱっつんぱっつんのミニスカート姿。
場所柄、お水系であることは明らかで
前回の服脱ぎ女同様、やはり20歳代後半に見えたそうだ。
・
乗車して、走らせてすぐですよ。
左腰に何か感じたので、ん?と、目をやると
お客さんの指先が見えたんです。最初は何か伝えたくて、
私に気付かせるために触ったのかと思ったんですが・・・。
「違うの?」
もう、それが、私を振り向かせるための動作っていうか、
そういうレベルじゃないんです。
「どんな?」
触るっていうか、撫でるっていうか、指を這わせる感じなんですよ。
「何も言わずに?」
最初は無言でしたね。
「ちょっとキモチ悪いね」
それで、“運転中で危ないので手を引いてもらえますか”って言ったんです。
「そうしたら?」
『私にサービスして欲しいの』って言うんですよ。
「へ?」
『お金はあるから。たくさん持ってるから』って。
「なるほど・・・」
それで、“今、もう(運転の)サービスをしてるんで、その分の料金だけ
頂ければ結構です”って、丁重にお断りしたんですけどね。
「本人的には運転のサービスだけじゃ不足なんだ(笑)」
以前にもそういうタイプの危ない女性のお客さんを拾ったことがあって、
その時は・・・
『今、手持ちのお金がないけど、家にはあるから一緒に来て欲しい』
と、言われて部屋の前まで行ったんです。
「怪しいね」
すると、『どうぞ、中に入って』って言うので玄関に入ると、今度は・・・
「どうしたの?」
『お茶を入れるから部屋に上がって』になったんです。
「ほぉ。ステップアップだ」
嫌な予感みたいなものを感じる時ってあるじゃないですか。
そのお客さんは明らかに【危ない】様子で、もうバンバン振りまいてる
感じだったので、これはまずいと思い、
“お金を頂ければ結構ですから”と、貰うものだけ貰って
さっさと退散しましたけどね。
「実際にあるんだ、そういうことって!?」
あるんですよ。
私にタッチしてきたそのミニスカートのお客さんも、匂いは同類でしたね。
「それで、そのタッチ女はどうなったの?」
全く諦めていませんでしたね。
とにかく、『お金はたくさん持ってるから』の一点攻めで。
「かなり溜まってるね」
私のお尻の辺りを触ることも止めなくて、
それで、“本当に危ないから止めてください”って繰り返していたんですが、
後ろを向いて何度目かの時、もっと危ないことに気付いちゃったんです。
「何?」
最初は暗くて分らなかったんですけど、
私のお尻を撫でる手がやけにぶっといんですよ。
ノースリーブから出てる腕のヒジまでのところが筋肉質で・・・。
「どういうこと?」
おまけにミニスカートから出ている足が頑丈で筋骨隆々なんです。
「オカマだった?」
そうだったんですよ。
それが分った途端、急に恐怖が走ってきて・・・。
「分る・・・」
その後もずっと、『お金は持ってるから。たくさん持ってるからお願い』って、
強引に誘ってくるんで、お客さんをクルマから降ろすまで、
もう、恐くて、恐くてしょうがなかったですよ。
「何もなくてよかったねぇ」
まだハッキリ覚えてますよ。
あのオカマのお客さんのごっつい腕。太くて、太くて・・・。
嘆きがリアル。
本当に恐かったんだろうなぁ。
でも、分かる。
オカマの太い腕で倒されたら、
間違いなくタクシー強盗以上に恐いと思うもの。(笑)
-----これにて了-----
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