自分が初めて買ったLP盤のレコードはこれ。
『 実況録音盤 カレッジポップス・コンサート 』 というタイトルでした。
残念ながら、今は手元に残っていません。
小学六年生の冬、珠算検定試験の帰り道だったと思う。
たまたま友達と寄った日本橋の百貨店の、
それも、何気なく通ったレコード売り場で偶然目にして買ったのです。
だから、買うのだったら何でも良かったし、
買わなくてもよかったレコード。
脈絡の無い全くの衝動買いでした。
どうして買おうという気になったんだろうか。
もう覚えていないけれど、多分こんなことだったかな? と思う。
その頃、同じ敷地に住む大学浪人中の従兄弟がおり、
彼の部屋に入り浸って、私はほぼ毎日そこで就寝していました。
深夜、受験勉強をする彼の傍らにはラジオがあり、
糸居五郎のオールナイトニッポンを聞きながら眠りに落ちるという、
およそ小学生らしからぬ生活を続けていたのです。(笑)
当然のことですが、
その頃流行っていた、ザ・リガニーズの「海は恋してる」とか、
トワ・エ・モワの「或る日突然」とか、
その他、多くのフォークソングが耳について離れなくなっており、
偶然引っ張り上げたジャケットにそれらの名前を見つけたのが
購入の動機だったように思います。
それと、フォーク・クルセダーズのメンバーだった
加藤和彦・北山修・はしだのりひこ(このアルバムではシューベルツ)の
名前を目にしたせいもあったように思う。
その二年前、小学四年生の時に聴いた「帰って来たヨッパライ」の印象は
余りにも強烈だったんです。
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前置きが長くなりましたが、
最近、このアルバムをあらためて購入しました。
レコードはCDに変わってしまいましたが、
今度は偶然でなく、どうしても手に入れたくなったからです。
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先日、NHKのBSで二つの番組を続けて観ました。
【きたやまおさむ さよならコンサート】
【ぼくはロックで大人になった~忌野清志郎が描いた500枚の絵画~】
前者は、北山修さんが九州大学の教授を退官された記念に
学内の講堂で開かれたコンサートをそのまま番組にしたもの。
後者は、ご本人が生涯描いてきた数々の絵を通して、
忌野清志郎さん内面の変遷を伝えるドキュメンタリー。
いずれも再放送でしたが、これを観たことがキッカケで
アルバムを買い直そうと思ったのです。
世代として、
私は二人の音楽をリアルタイムで楽しめる時代を
過ごしてきましたが、当時は音楽そのものに強い興味を
持っておらず、それほど深い造詣を向けてはいませんでした。
今回、番組からあらためて伝わってくるものを感じて、
「勿体無いことをしたなぁ。もっとしっかり追いかけて、真剣に
ずっと聴き続けていれば良かった・・・」 という悔やみと懐かしさから、
もう一度当時の音源を確かめてみたい衝動に駆られました。
私が初めて買ったこのライブアルバムには、
二人が揃って登場しているからです。
北山修さんはコンサートの司会、そして、忌野清志郎さんは
アマチュア時代のRCサクセッションとして出演しています。
特に清志郎さん。
収録曲である 『 どろだらけの海 』 のボーカルはピュアそのもの。
でも、シャウトぶりと節は後年のそれと全く変わらないし、
社会派フォークっぽい歌詞からは、その後につながっていく
ロッカーとしての彼の “ 芯 ” の始まり、胎動みたいなものが感じられる。
他の出演者の分も含めて全曲を聴き終え、
とても新鮮な気持ちになりました。
このアルバム、谷村新司さんが(アリス以前の)
ロック・キャンディーズというグループで登場していたりして、
興味深い音源が多いです。
ホント、買い直して良かった。
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