「同僚(=Aさんとします)から聞いたのよ」
そう言ってカミサンが教えてくれた話に呆れた。Aさんには小学二年生になるご子息
(=B介クン)がいて、ある日Aさん宅に『B介様・保護者様』という宛名の封書が
届いた。差出人は去年の秋に結婚したB介クンの担任の●●子先生の旦那様(この
方も別の小学校で先生をしている)で、結婚式のツーショット写真2枚と共に、要約
するとおよそこんな感じの手紙が入っていたようだ。
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結婚に際しては保護者の皆様から祝電や花のプレゼントを頂き大変感謝している
かねてより自分達は(新婚旅行に行く)結婚3ヶ月でお祝いをしようと話をしていた
私から●●子に何をプレゼントしようかと考えたが、●●子が一番喜ぶのは大好きな
▲年■組の子供たちからの絵とメッセージだろうと思い立った
ついては同封の用紙の片面に絵、その裏面にお子様と保護者の方にメッセージを
書いて欲しい。絵に関しては「●●子の花嫁姿」を想像して書いてください
●●子には“サプライズ”なモノにしたいので、返信は家ではなく自分の勤務先の方に
同封の封筒でお願いしたい
皆様からの『お祝いメッセージ&イラスト集』として×月×日に●●子に渡す予定です
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・・・ということで、「花嫁姿」の絵柄指定に留まらず、ご丁寧にも送付期限まで指定した
内容になっていたらしい。
Aさんは「これはとちょっとおかしいよなぁ・・・」と思って放っておいたのだが、送付期限を
過ぎた後、
××月××日までに届けば(予定している)×月×日までに、全員のメッセージとして
●●子にプレゼントを渡せるので、どうにか協力をして欲しい
こんな内容の催促ハガキが届いたようだ。Aさんは、仕事の関係でPTAの役も出来て
いない状況もあるので、全体融合を考えてしょうがなく供出したらしい。
これを聞いた自分は、●●子先生の旦那先生のしている行為に呆れてしまい、
「俺が保護者だったら絶対に協力しない。大体からして個人情報が漏れてる訳だから、
その事実を指摘し、ついでに『その旨を貴方の学校長にチクりますよ』という手紙を
絵とメッセージの代わりに返送するな」
そう言うとカミサンは、
「私が●●子先生なら受け取ってもドン引きするね」
こう言った。で、二人して
「●●子先生がプレゼント受け取った時点ですぐ喧嘩だね」
と、大笑いしたのです。
ところが・・・
Aさんから、後日あった保護者会の話を聞いてまたビックリした。席上●●子先生は
大感激で感動に震え、泣きながら感謝の辞を述べたらしい。それと、その日配られた
学級便りには、
・プレゼントを貰って、嬉しくて嬉しくて泣いてしまったこと
・一番欲しかったプレゼントだったこと
・ハネムーンに行った南の島での様子
こんなプライベートな話が満載されていて、紙面全体の半分以上が使われていたようだ。
チョーお似合いの夫婦だったってことですね。(笑)
だけどこの二人、少し勘違いしていないだろうか。
感激屋さん?、それはOK。感謝のキモチ?、それもOK。
しかし「公」「私」の割合が違うだろう。子供達は二人のプライベートを飾る材料じゃない。
ウェディングケーキのローソクではないのだよ。二年生の子供たちが、先生を祝う為に
全員が揃って自分の意思で自主的に絵を描いたり、メッセージを書けるはずがないでしょ。
そんな半ば強制的に集めたお祝いで、本当に喜べるのだろうか。●●子先生が一番
喜ぶのは、そのアホな旦那さんにその掌をギュッと強く握り締めてもらうことなんじゃ
ないですかね。
確かにチョット見は微笑ましい。けれど、そう簡単に済ませてしまっていいことなの
だろうか? 自分はイヤだなぁ。
聖職とは既に死語なのかしら?
先生にはより強い自制心とか自身に対する客観的考察が必要なはず。だから“教師”
なんだと思います。
自分から発散される感情よりも、子供たちから受け取れる自然な感情の方を優先し、
大事にしてもらいたい。
子供達の将来を危ぶむ自分の方がおかしいのだろうか?
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