前回の続き。
待ち合わせはイタリアンレストラン。ここは娘と彼がよく利用している店。
初めての対面に四人とも緊張気味。口数がやけに少ない。
特に男二人にはそれが顕著。(笑)
互いに自己紹介した後は何か空気が重い。彼、カワイソウに思えるぐらい
緊張していたなぁ。そして、彼に対して最初に私が発した言葉は、
「緊張してるでしょ?」
だった。
これがいけなかった。
私としては気楽にさせようと思って言ったのだが、逆に、更に緊張させて
しまったみたい。(笑)
オーダーしたシーザーサラダにスタッフがチーズを削ってくれる。
こちらがストップをかけるまで好きなだけサービスしてもらえるのだが、
その間は四人の視線がチーズに集中して空気が変わる。あの時彼は、
降り積もっていくチーズを見ながら 『あぁ・・、このまま閉店までチーズを
削り続けて欲しい・・・』 と、思っていたのではなかろうか?(笑)
カミサンと娘はビールをオーダーして美味そうに呑んでいる。
(運転するのでしょうがないとは言え)緊張している男二人に比べて
何とお気楽なこと。(笑)
料理を食べながら双方の家族の様子など、差し障りのない会話が続くが、
気が付くと食事の進み方が異常に速い。明らかに私の食べる量が多く
なっている。話題が断続的に停滞するので、結局、場を収めるためには
食べるしかないのです。(笑)
彼も何か言いたそうな雰囲気なのだが、なかなか上手くタイミングが
見つからない様子。そんな状況がずっと続いた。
今後の流れが見えている中で会っているのだ。別に、 「結婚を前提に・・・」
という言葉を彼から無理やり引き出す必要もないだろう。かつて、自分も
そのつもりで行ったのに義父には言えなかったんだ。(笑)
ただし、自分の方にはこの場でどうしても言っておきたいことがあった。
どんなに低くてもいいから、常に目標を持つこと。
それを実現するために二人で考えてプランすること。
幸せになろうと思うなら、それなりの決心をして欲しいこと。
二人で幸せになることを双方の両親に必ず約束すること。
その約束は口に出さなくてもいいから、しっかり胸の中に置いて欲しいこと。
こんな内容を伝えた。
が、決して彼一人に向けて言ったのではない。
二人に言いたかったのだ。
娘と彼は私の一言一言に頷いていた。
店を出て駐車場に向かうところでカミサンの声が後ろから聞こえた。
「(生活振りの)だらしない娘ですが宜しくお願いします」
カミサンは彼に深く頭を下げていた。私に言いたいことがあったのと同様に
彼女にも言いたいことがあったようです。
“父親視点の戒め” と “母親視点の気遣い”
バランスとしてはこれで丁度良いのかもしれません。
あの場で目にした・・・
隣の彼を見るたびに普段とは全く違う嬉しそうな顔をしていた娘。
車が見えなくなるまで、実直そうにポツンと立って私達を見送っていた彼。
二人で幸せになることを “約束” してくれたと思う。
娘と彼を見守っていきたいと思います。
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