三年前から興味をもって写真を撮り始めましたが、
アマチュアの、しかも初歩レベルとはいえ、
もっと早くこの趣味を見つけていれば良かったなぁ・・・と、
今、考えると残念に思えてしまうことがかつてありました。
もう25年くらい前になりますが、有名な風景写真家である
前田真三さんが撮影された写真原稿(ポジカラー)に、
仕事絡みで接する機会がありました。
その時に見たのは奥三河の風景写真でした。
今、同じ場面に遭遇したら間違いなく大興奮しますが、
その頃の私は写真に関心がなく、
前田真三さんの名前すら知りません。
でも、透過光に映えるカラービュアー上の奥三河の風景は
息を呑むほど美しく、素人ながらその写真に感嘆した覚えがあります。
そうして前田真三さんの名前はインプットされたのですが、
私の認識は、"奥三河の風景を撮影する写真家"という
イメージで固まったままでした。
ところが、
時を経て、旅行で北海道に何度か通ううち、
前田さんは奥三河よりも美瑛の撮影で有名な写真家で
あることが分かりました。初めて美瑛に行った時、
前田さんのギャラリーである「拓真館」を訪れてそれを知ったのです。
前田さんご本人は既にお亡くなりになられていますが、
美瑛の美しい景色を数多く撮られ、
その中で『麦秋鮮烈』というタイトルの有名な写真を残されています。
写真集「丘の四季」に掲載され、
拓真館でもパネル展示されているその作品は、
暗い夕立雲の下に広がる大地に日没間際の太陽光が差し込み、
「赤麦」の畑を強く照らし出すという正に鮮烈なカットです。
※画像は「赤麦を守る会」のHPから引用。
『麦秋鮮烈』でモチーフになっている赤い麦は、
穂と茎がやや朱色を帯びたタクネ小麦という種類で、
夕陽に照らされると赤く輝くところに「赤麦」の由来があります。
ただ、生産に手間が掛かるため収益性が悪く、
その後、残念ながら美瑛からは姿を消してしまいます。
が、
1997年に有志の方々による復活の取組みが始まり、
1999年の美瑛開基100周年に際し、
『麦秋鮮烈』の景色が見事に蘇ります。
現在は、「
赤麦を守る会」による維持、拡大に向けた活動が
続けられていますが、前述の通り、
赤麦は生産性が悪く栽培経費が嵩みます。
その保全のため、2002年から「赤麦を守る会」が
畑の一坪会員を募っていたことを去年知りました。
行けば分りますが、美瑛の丘の美しさは格別です。
未来永劫、変わらずに残されていくべき風景だと強く思いますし、
その景色の中で光輝く赤麦畑を維持していくことも大切です。
先日、今年度の募集告知を待って早速応募させて頂きました。
私は一介の観光客で只の素人カメラマンに過ぎませんが、
あの美しい風景のために多少なりとも参加できるのは嬉しいことです。
来年の7月には、是非、
夕陽を浴びて輝く赤麦を現地で写真に収めたいと思います。
PR
COMMENT