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Goro・とおく

遺言代わりに書き留めています。 自分と自分の周りのこと・・・

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部下の教え

4月の異動から一ヶ月が経った。

実感は「もう一ヶ月も・・・」かなぁ。ここ迄はあっという間に時間が過ぎていった
気がする。密度の濃い仕事をこなした充実感からそう感じているのならよいが、
実は違う。大した仕事が出来ているとは思えない。新設の部署ゆえに致し方
ないところもあるが、正直、自分に物足りなさを感じている。仕事そのものから
充実感や達成感を感じられるようになるには、もう少し時間が掛かりそうです。

反面、異動による自分自身の変化はしっかりと受け止めることが出来ている。

まず、早起きになったこと。(笑)

職務的に増えるのは分っていたがホントに会議が多いのです。しかも朝の8時に
開始される会議が多い。これは、朝にからきし弱い自分にとって一番辛いことに
なるはずだった。が、しかし、人間って不思議なもので、目覚まし時計無しでも
一定の時刻に目が開くようになってきた。(笑)これが変化した事実の一つ目で、
どちらかと言えば良い方の驚き。

そしてもう一つ、こちらは悪い方。

「失われた」・・・こう表現するのが妥当と思える変化があった。

異動の前後で比較すると明らかに変わったことがある。それは部下の人数です。
部分的に外勤要素を残しているものの内勤が基本になった為、営業のライン職
からスタッフ職に移ったことで23名抱えていた部下が1名になった。ラインから
外れると当然こういう状況になるのだが、部下の数を大幅に失ったこの事実が
私には大打撃なのです。

駒のように動く手下が欲しいから? 多くの部下を従えて偉そうにしていたいから?

・・・ではありません。(笑)

与えられた職務を100%以上の成果に昇華させることには興味があるものの、
上昇志向の希薄な自分にとっては、会社内の序列とかそこに繋がるつまらない
威厳は不要です。


でも、部下を大量に失ったことは痛い・・・。


何故?


私は常に「会社は自分のいいように使ってしまおう」と考えることにしている。
どういうことか言うと、例えば・・・

■クレームで得意先に責められる場面■に臨む時、大事なのは勿論 『会社の
代表(公人)として真剣に怒られること』 であるが、怒られている自分は(実は
私人でもあるので)怒られっぱなしでは勿体ない。なので、その機会を上手く
利用させてもらい、他人からの怒られ方を(私人として)学ばせてもらう。相手に
話を聞いてもらうタイミングの見つけ方、応答の中で口に出せる言葉の判断など、
要するに“相手を透察する観察能力”は、真剣に怒られるほど養われ、勉強に
なるのです。そこで経験値を増やすとプライベートでも随分と役に立ちます。実際
こうやって蓄積された能力は、カミサンと喧嘩する時の“押し・退き”に転用され
効果を発揮しているのである。(笑)

ま、それはともかく、話を元に戻すと・・・

会社に所属していれば、上と同じような要素があらゆるところに転がっていることに
気付く。その中でも、部下⇔上司という関係で日々接触することは、自分にとって
格別な勉強の場だったように思う。


上司は、部下からは「頼られ」「答えを求められ」、部下に対しては「間髪置かずに
判断し」「考え方を示し」「実行を仕向ける」、そんな立場です。(公人として)こんな
ことを繰り返していく中では失敗もあるのですが、それが多ければ多いほど自分の
上積みが増える。そして(特にキモチの面で)人間関係が強まったりするのである。
それは宝物と言ってもいいほど貴重なものであり、会社という公的な環境の上下
関係がベースとは言え、彼らとの“生”の接触点から得られる人間的な蓄積は
(私人である自分には)計り知れないほど大きく、しかも幸いなことに、それが23
通りもあったのです。

端的に言うならば今迄自分は、決して「部下を指導していた」のではなく「部下
から教えられていた」のだと思えるのです。「親が子どもに教えられる」とよく
言いますが、それは親にとって貴重なこと。上司と部下という関係は、それと全く
同義であることが23人を失ってからよく分ります。


23人の“先生”にあらためて感謝している今日このごろ・・・。



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