観られた方がいるかもしれません。
22日、日曜日の午後。偶然目にしたテレビ。
画面の中に登場する人物に強く惹きつけられた。
フジTVの「ザ・ノンフィクション」という番組で採りあげられた
栗城史多(くりき・のぶかず)という26歳の青年。
ソロ・アルピニスト、登山家です。
この番組を観るまで、彼の存在は知らなかった。
栗城君が登山を始めたのは大学に入った2002年からなので、
未だ6年の経験年数に過ぎない。
自分は山登りをしないので分からないけれど、
あの過酷なスポーツの「経験6年」は、多分、ベテランの領域
では無いだろうと思う。しかし、彼は、山登り経験僅か二年で
北米大陸最高峰の「マッキンリー」の登頂に成功し、以後、
各大陸の最高峰を次々に制覇して、7大陸の内で残すのは
あの「エベレスト」だけになっている。
7大陸全ての最高峰を登頂すると“7(セブン)サミッター”と
称されるらしい。興味が湧いて調べてみたが、それだけの
比較なら、栗城君よりも若くして達成した日本人もいる。
確かに限られた人数とは言え、この視点だけで捉えるなら
特別な偉業ということではないのかもしれない。
ただ、彼が凄いのは、全てが単独・無酸素による登頂ということ。
おまけに彼は、登頂までの様子を自分でビデオカメラを回し、
映像に残しているのです。
高度7,500mを超えるとデスゾーンと呼ばれる領域に入り、
高度順応していない場合は5分で死に至るという。
酸素の薄い8,000m級の山。ちょっとしたタイミングで雪崩に
呑まれるかもしれないし、不注意で転落することも有り得る。
実際、番組の中では、クレバスに掛けられた華奢な梯子を
渡る怖い足元映像があった。そんな険しい山を登りながら
セルフで撮影するなんて、本来は考えないだろう。
でも彼は、「生きる力」や「壁を越えることの楽しさ」を他者に
伝えたくてそんな行動をとっている。
この春、栗城君は「エベレスト」に挑戦する。
その準備として、去年10月に8,163mの「マナスル」に挑み、
日本人としては初となる単独・無酸素登頂に成功した。
加えて、山頂からスキーで滑降することもやってのけたのです。
単純に凄い。感心というよりは、もう、久し振りに感動です。
テレビの中の栗城君からは功名心の欠片も感じられなかった。
極めて素朴な人。マナスル登頂時の一連の映像から伺える
『ありのままの弱さ』と『さりげない強さ』の均衡が素晴らしかった。
そこに強く人間性を感じる。何より、“不誠実な人間”と
“パフォーマー”が大嫌いな自分は、(反対側に立つ)こういった
飾らない人間には無条件で惹かれてしまう。
エベレストの単独無酸素登頂は、日本人では一人も達成
できていない。是非、是非、成功してもらいたい。
そう思います。
※ご興味あれば・・・
栗城史多HP
http://kurikiyama.jp/
栗城史多ブログ
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bt_nobukazu/
マナスル登頂の動画
http://toko.dai2ntv.jp/user/userid/toko024
特に動画は緊迫感あり。
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COMMENT
無題
ご無沙汰!
確かに、偉大な冒険家には共通する人間性が
あるような気がします。
自分では永久に持ち得ないところだけどね。(笑)
エベレスト登頂はインターネットで中継するらしいので楽しみ。
応援かたがた、ずっと注目していきますよ。
無題
弱さ=強さ、臆病だからこそ生き残れる、そんなことを思いました。
植村直己、三浦雄一郎、加藤保男… 僕も冒険家大好きですが、みんなそういったところは共通してますね。
春のアタック、僕も楽しみに応援したいと思います!
一緒に応援しましょう~(笑)