会社からの帰り、
最寄のJRの駅でカミサンと待ち合わせて、
もろもろ食材を買うことになった。
同じ品物でも店によって値段が違うので、
安いモノを目指していくつかの店を廻ることになる。
一軒目の買い物を済ませて次に移動。
二軒目は駅の地下、B1フロアにあるスーパーなので
エスカレーターを使って下ります。
カミサンが先にステップに乗った後、
自分も続いていこうかというタイミングで
別の男性とバッティングする形になって間が生じた。
瞬間的に「ある予感」が走る。
本能に従い、足の踏み込みを止めて彼に先を譲ってあげた。
カミサン→男性→私 の順でエスカレーターは下っていきます。
カミサンと男性の位置取り(間隔)、男性の体型、私の体型・・・。
目の前の情報を最後尾から客観的に眺めるうちに
数秒前の「予感」が徐々に「確信」に変わっていく。
B1に向かって下りるまでの僅かな時間、私は、
エスカレーターがフロアに到着した後、
その先何メートルか進んだところで
間違いなく起こるであろう場面を想像していた。
B1フロア到着。
じきに自分に近づいてくるはずの人間と盲信し、
振り返って確認しようともしていないカミサンに男性が追いつき、
暫し横に並んで歩く状況になった。
私は二人から離れないよう、後ろにピッタリとくっつく。
もう直ぐだなぁ・・・と、期待が膨らむ。
男性の体型は私に酷似していた。
私が追いついたと思っているのだろう、
カミサンは右横に並ぶパートナーを全く疑っていない。
横を向き、視線を上げずに男性に話しかけ始めた。
OK! カンペキ! 予感どおり!!
『モヤシって優秀だよね。モヤシが家計を助けるのよ。
知ってる? ●●で売ってるモヤシはとにかく安いのよ!』
「あぁ、知ってるよ」
後ろから耳元に顔を寄せて返事をしてあげたところ、
カミサンは、“あんた誰よ?”みたいな表情で振り返り
後ろにいる私の顔を見た。(笑)
ここでやっと自分の状況に気付いた彼女は、間髪置かず、
横に、後ろに、横に、と、首を忙しく動かした後、顔を真っ赤に染めた。
“赤っ恥”
正にこのような場面で使われる言葉なんだろうと思う。
もやし、ベリーナイス!
カミサンが言うとおり安くて優秀だ。
たった19円なのに、こんなシーンでも使える。(笑)
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