先週、ちょっとしたことで夫婦喧嘩が勃発した。
いつもと同じで、どちらかが嗾(けしか)けたワケではなく
ある懸案がフックになり、互いの言葉のすれ違いから口火が切られた。
紛争処理を誤った場合は重い時間が長く続くであろうと思われる、
少々根の深い事案での諍(いさか)い。
かなりの危険性をはらんだ中、バトルがスタートした。
・
私はこの結婚に失敗したのよ。
(これは毎度の挨拶として受けとめることにしている)
貴方は私に甘え過ぎよ。
(これは口癖のようなもの)
貴方は“上げ膳、据え膳”で良いかもしれないけど、
私は身を粉にして何から何までやっているのよ。
私の身になって考えたことがあるの?
(これは真摯に受けとめるべき指摘なので反省)
感謝の気持ちが全く感じられない。
それが頭にくるのよ。
(感謝をそれなりの形で残しているのでちょっと反攻)
言葉のパンチの応酬。
殴り合いが続き、バトルインジケーターは上昇一途。
その極みにカミサンが言葉を連射した。
私に向けた一方的な攻撃である。
貴方はこの生活を当然だと思っているんでしょ。
貴方は自分のことだけしか考えてないのよ。
昔からそう。
それがイヤなの!
私は貴方のお手伝いさんじゃないのよ!!
あぁ、頭に来る!!!
それが結婚する前からの貴方の作戦でしょ。
私のことなんて関係なしに、自分の将来設計しかしてないんだわ。
カミサンは結婚に際しての、そして、現在に至っても
私の先見や将来設計が意図的にズルいものであり、
自分には一切気を遣っていない、と主張しているのだ。
そこまで言うなら言い返してやる・・・そう思ったが、
躊躇しているうちに言葉を続けられてしまった。
私を幸せにするキモチはあったの?
なかったでしょ。
貴方の●●●●を見抜けないで結婚した私がバカだったのよ!!
そう、●●●●。
貴方には私を幸せにする●●●●が無いのよ!
ん・・・!?
・
・
mute
・
・
●●●●の四文字を耳にして息を呑んだ。
カミサンの攻勢に怯(ひる)んだワケではない。
ただ、この喧嘩において、この言葉の持つ意味は
とてつもなく大きいものになると直感した。
絶対に言ってはいけない、一瞬にして終焉を呼ぶことになる
キラーワードのように思えたのである。
『あのさ、一つだけ言いたいことがあるんだけどいいかな?』
こう口に出すまで言葉を失っていた私の様子を見て、
カミサンは完勝したと思ったのだろう。
上から目線充満で・・・
何よ、言い返せることがあるんなら言ってみなさいよ。
言えることなんてあるはず無いけど、聞いてあげるわ。
さぁ、言いなさいよ!
これを言ったら本当にお終いだなぁ・・・と、ふと思ったが、
どうしても我慢出来なかった。
じゃ、言わせてもらうけどさ・・・
今、
●●●●、●●●●、●●●● って、
ご丁寧に三回も決め撃ちしてきた言葉なんだけど
もしかして、それ
ビジョン なんじゃない?
絶対に
ピジョン じゃないと思うんだけど。
お前の言うとおり、俺は確かに哺乳瓶は持ってないよ。
そんな趣味、ないですから。
・
・
カミサン mute
・
・
笑いが止まらず喧嘩ストップ。
何とか使いたかったんだろうなぁ
「ビジョン」を、いや、「ピジョン」を。(笑)
カミサンの大オウンゴールで終戦。
Good game!
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