遺言代わりに書き留めています。 自分と自分の周りのこと・・・
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カミサンは保育士ですが、先日、彼女の受け持つクラスで
一緒に組んでいる保育士の女性がくも膜下出血で倒れました。
幸いなことに大事には至らず、ひと安心したのですが、
二ヶ月間は仕事に復帰できません。
今年、カミサンの受け持ちは一歳児。
言葉でコミュニケーションを交わすのは難しい。
保育士の指示通りに動いてくれるなんて期待できない。
得意技は泣くこととグズること。
不安定な様子が窺えれば抱っこする。
二人が不安定になれば両腕で抱っこする。
三人が不安定になればオンブも加わる。
そんな手が掛かる月齢なのです。
言葉が不適切かもしれませんが、
動物の赤ん坊と何ら変わりありません。(笑)
間違いなく、どこの保育園でも一番タイヘンなクラスでしょう。
一歳児のクラスで担当保育士が一人欠けるということは、
傍目(はため)の想像以上に厳しい状況になります。
でも、人的な補充は直ぐに出来るものではない。
充当されなければ、現状の中で次善策を考えるしかないのです。
じゃ、どうする?
年長児を受け持つクラスから人員を借りて
応援に入ってもらうのが普通の考えだろう。
が、これも簡単ではない。
貸し出す側は「私たちもタイヘンなんで・・・」と言うに決まっています。
ここで管理者に決断力があれば簡単に収束できるはずですが、
「どっちもタイヘン」って思うような優柔不断な園長だったりすると、
逆に事態は混迷する。
「一歳児のほうが絶対タイヘンなのに・・・」と、見かねた
カミサン以外の職員が思ったところで、園長に意見できるはずもない。
そんな状況の中、カミサンは家と保育園を往復し、
毎日帰宅後、疲れきった表情で昼間の実情を私にこぼしていた。
『ここで言うだけじゃなくて、誰が見たってお前のクラスの方が
タイヘンなんだし、やっぱり言いたいことだけは言ったほうが
いいんじゃないの? ピッとしない園長に分からせてやれよ 』
半ばマジで、そんな無責任なアドバイスをしていた。(笑)
「でも、我がままに受け取られるような気がして、
ちょっと言い辛いのよね・・・」
と、カミサンは引いていた。
そして、また疲れた様子で仕事に向かっていたのである。
確かに職場の仲間との関係もあるし、
子どものように我慢の利かない自分と違って(笑)、
きっと、言いたくても言えないところがあるのだろう。
ちょっと可哀想な気がした。
数日後のこと。
帰りに駅で待ち合わせて一緒にタクシーで帰った。
「今日、職員会議で言ってみたのよ。できるだけ皆んなに
分かってもらうように話をきちんと整理して、思っていたことを
全部吐き出したのよ。不満じゃなくて、考えをね」
『へぇ~! どうだった?』
「それで・・・ “言いたいこと言ったんで、スッキリしました。
後はどうなってもいいのでお任せします” って言ったら、
園長が最終的に判断してくれて1名回してくれることになった」
『おぉ、そりゃ頑張ったなぁ。で、周りの様子はどうだったの?』
「みんな分かってくれた」
『凄い、凄い。満点以上! 120点あげるよ』
一番近い身内とはいえ、いや、一番近い身内だからこそなのか、
本人の頑張りが感じられて凄く嬉しくなった。
ちょっとしたことだけど、
タクシーの中で思わずジワッと・・・。
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